【第15回】テニス肘、野球肩は知ってるけど、テニスレッグ、水泳肩って?

当クリニックを受診された患者様が経験されたスポーツ外傷や障害について、
その病態や治療、治るまでの期間などについて解説させていただいてきた
スポーツドクターコラムも今回で第15回となりました。

今回は少し趣向を変えてみたいと思います。
最近のスポーツ界での一番のトピックはテニスの大坂なおみ選手の快進撃でしょう。
グランドスラムの一つ、全米オープンのシングルス優勝は日本のテニス界のみならず国民の大きな関心を集めました。


全米オープンで男女通じて初めてシングルスに優勝した大坂なおみ選手(BBC NEWS JAPANより)

2014年の全米オープンの男子シングルス準優勝の錦織圭選手も
最近怪我から復帰して活躍していてテニス人口がますます増えることが期待されますが、
同時にテニス肘の患者様も増えるかもしれません。

ところで、テニス肘という病名は聞いたことがある人が多いと思います。
整形外科的に正式な病名は上腕骨外側上顆炎といい、
テニスのバックハンドストロークの際、肘の外側から前腕にかけて痛みが走ります。

同じような痛みはテニスをされていない方にも時々起こりますが、
PC操作など手をよく使う仕事をされている場合が多いようです。

一方、テニスレッグという病名はご存知でしょうか?
テニスレッグとは、腓腹筋部分断裂(ふくらはぎの肉離れ)のことで、
テニスのサービスアンドボレーなど急激なダッシュをした際に
発生することが多いことからこの病名がつけられたようですが、
ご存知のようにテニスだけで発生する怪我ではありません。

詳しくは、スポーツドクターコラム第1回で解説していますのでご参照ください。

さて、今を時めくテニスに話が集中してしまいましたが、
整形外科で扱う外傷・障害にはテニス以外にも
スポーツの名前がつけられてる傷病名が多く存在します。

そこで、今回のスポーツドクターコラムでは、
それらの傷病名を思いつくままに列挙し、
医学的な病名を併記したいと思います。

1.テニス肘
テニス選手の肘痛 上腕骨外側上顆炎

2.テニスレッグ
テニス選手の下腿痛 腓腹筋部分断裂

3.野球肘
野球選手の肘痛 断性骨軟骨炎
肘内側側副靭帯損傷
変形性肘関節症など

4.リトルリーグ肘
少年野球選手の肘痛 上腕骨内側上顆障害

5.野球肩
野球選手の肩痛 肩インピンジメント症候群

6.リトルリーグ肩
少年野球選手の肩痛 上腕骨骨端線離開

7.水泳肩
水泳選手の肩痛 上腕二頭筋腱炎

8.平泳ぎ膝
平泳ぎ選手の膝痛 膝内側側副靭帯炎

9.ゴルフ肘
ゴルフ選手の肘痛 上腕骨内側上顆炎

10.フットボーラーズアンクル
サッカー選手の足痛 衝撃性外骨腫

11.ボクサー骨折
ボクサーの手の骨折 中手骨頸部骨折

12.ランナー膝
ランナーの膝外側痛 腸脛靭帯炎

13.ジャンパー膝
ジャンパーの膝痛 膝蓋靭帯炎


以上、整形外科疾患の中で一般的に認知されているスポーツの名前が付けられている傷病名を列挙してみました。

いくつかの傷病の詳細については、すでにスポーツドクターコラムで取り上げていますが、
今後も実際に患者様が来られたら詳しく解説させていただきたいと考えています。

その他にも、バレーボール肩、バドミントン肩・肘、卓球肘・腰、投擲(とうてき)肩・肘、
ボウリング腕、サーフィン腰・膝、スノーボード腰、サイクリング腰、スキー腰、サッカー膝、
フットサル足、スケート足などの病名を何かの記事で見つけたことがありますが、一般的ではないようです。