【第11回】オスグッド病について

本コラムでは、当クリニックを受診された患者様が経験されたスポーツ外傷や障害について、
その病態や治療、治るまでの期間などについて解説させていただきます。

久しぶりの第11回は、発育期のスポーツ少年を悩ませる膝の病気、
オスグッド病について述べたいと思います。

10~15歳くらいのスポーツ少年が膝のお皿の少し下を痛がり、
同時にその部位が突出してきて赤くはれたり、熱を持ったりする病気がオスグッド病です。

正式にはオスグッド・シュラッター病と言いますが、
それは1903年にこの病気を発見した2人医師の名前が、
ロバート・ベイリー・オスグッドとカール・シュラッターであることからつけられた病名です。

【病態】

ジャンプやキックなどのスポーツ動作の際には、太ももの前面の筋肉である大腿四頭筋が収縮します。

この時、膝のお皿(膝蓋骨)と膝蓋腱を介して脛骨結節(図1:青→)という部位を引っ張ることによって膝を勢いよく伸ばそうとする力になります。

すなわち、たいがいのスポーツを行うと脛骨結節には常にけん引力が働きます。

ところが、成長期の少年は脛骨結節がまだ大人の骨にならずに成長軟骨(医学用語では骨端核といいます)という骨よりも弱い構造になっています。

そのため、過度の運動、特にジャンプやキックを伴う運動を行うと、この成長軟骨が剥がれることがあります。こうして、オスグッド病が発症します。


(図1)脛骨の前面の青→部が脛骨結節 (日本整形外科学会HP 症状・病気をしらべるより)

【診断】

診断は特徴的な臨床症状からも可能ですが、X線検査(写真1)で確定します。

(写真1)当クリニックを受診された12歳、男子バレーボール選手
脛骨結節の成長軟骨が浮き上がり、さらに表面の骨の一部が剥がれたように見えます(黄→)

【治療と予防】

オスグッド病による脛骨結節部の痛みが出現した時は、まずスポーツを休まなければなりません。悪化させると、痛みが消えるまでの期間が長くなります。

早めに医療機関を受診して、正しい診断のもとで治療を開始しましょう。 2~4週間の休息で痛みが消失しても、再びスポーツを開始すると痛みが再発することが少なくありません。

スポーツの前後に図2に示すようなストレッチを取り入れ、オスグッド病による痛みを予防するようにしましょう。 オスグッド病予防のためのより詳しいストレッチングのやり方は、インターネットの動画サイトでも閲覧できます。「オスグッド病ストレッチ」で検索してみましょう。

(図2)大腿四頭筋のストレッチング(日本整形外科学会HP 症状・病気を調べるより)

【スポーツ復帰までの期間】

早くスポーツに復帰したい気持ちはよくわかりますが、痛みを抱えながらスポーツを続けても上達が遅く良いプレーができないばかりか、体の他の部位にも障害を発生させてしまうことがあります。 あせらず、しっかり治しましょう。

そして、完全に痛みが取れてから、また思いっきり好きなスポーツを楽しんでください(写真2)。

(写真2)痛みを完全にとりのぞいてから思いっきりスポーツしよう。