【第6回】寝違え

眠りから目が覚めた時に、首から肩にかけて痛みを感じることがありますよね。
時には相当強い痛みで、首を動かせなくなったり、
手で首を支えなければ起きていられないくらいの痛みを感じたりすることもあります(写真1)。

(写真1)寝違え?!

こうした症状を一般に「寝違え」と呼ぶことはご存知の方も多いと思います。
腰痛、肩こりコラム第6回は、この「寝違え」について解説します。

寝違えの原因

「寝違え」の病態については、はっきりとしたエビデンスがあるわけではありません。
多くの場合、X線検査やMRI検査を行っても画像でとらえられるような病変は見つかりません(写真2)。

(写真1)クリニックの症例:37歳、男性。X線では異常を認めません。
そのため、いろいろな病態が想像されています。
予想される病態には以下のようなものが挙げられます。

・就寝中に悪い姿勢をとっていたために筋肉への血の流れが悪くなる、特にこれからの季節は、忘年会などでお酒を飲み過ぎて爆睡した後、首に痛みを感じるケースがよくあります

・前日の労働やスポーツが原因で首の筋肉がけいれんを起こす

・頸椎にも関節がありますが(椎間関節といいます)、そこに関節炎がおこる

・長時間同じ姿勢をとったため(パソコン作業など)、首の一部の筋肉過剰な負荷がかかる

いずれも、正確な病態を肉眼で確認したわけではないのであくまで想像です。

診断

整形外科で「寝違え」を疑った場合は、
まず診察して神経学的な異常(手のしびれなど)がないこと、
画像検査で首の痛みの原因となるような病変がないことなどを確認します。
似たような症状を出す病気としては、以下のようなものが考えられます。

・頸椎椎間板ヘルニア
・変形性頚椎症(神経症状を有する)
・がんの頸椎への転移
・脊椎炎
・頸椎の関節リウマチ

これらの疾患が除外できれば、整形外科医は「寝違え」でしょうと説明し、
痛みが強い場合は鎮痛剤や筋弛緩剤、あるいは外用鎮痛剤(いわゆる湿布)を処方します。

治療

多くの場合は放置していても軽快しますが、
整形外科で前述した薬を処方してもらって服用すると、比較的早期に痛みが改善します。

内服や外用の鎮痛剤を使っても軽くならない時には、ブロック注射という方法もあります。
患者様から時々、「マッサージはどうか」という質問を受けます。

上手にマッサージすれば有効な場合もありますが、
「もみ返し」といわれるようにマッサージをしたことによって
かえって痛くなることもありますので、私はあまりお勧めはしていません。

以上、「寝違え」について解説させていただきました。
朝起きて首が痛いと感じた時は多くの場合は「寝違え」と考えて間違えはないと思いますが、
症状が強い場合や長引く場合は他の疾患を患っている場合も考えられます。

そのような時は、「寝違え」だと軽視しないで整形外科医を受診されることをお勧めいたします。

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