【第4回】慢性腰痛について

腰痛、肩こりコラム第4回は、慢性腰痛について語りたいと思います。
慢性腰痛とは、3か月以上続く腰痛のことです。

小学生から高齢者まで幅広く見られますが、特に年齢が30代から50代で、都会の事務職の方に多いことがわかっています。 その原因はストレス、うつ、不安などにより痛みの信号を抑制する脳の働きが鈍ってしまうからだと考えられています。
本コラムの第3回で述べたイエローフラッグを有する腰痛です。

すなわち、心理的要因がからみあって生じている腰痛ですから、手術すればスカッと治るというわけにはいきません。 それでは、いったいどのように治療していけばよいのでしょうか?

日本整形外科学会ほか監修の「腰痛診療ガイドライン2012」では、運動療法、認知行動療法、薬物療法を推奨しています。

運動療法

運動療法としては、まず腰痛があっても通常の日常活動を維持することを勧めています。
多少の痛みがあっても、がまんして通常の活動を続けた方が良いということです。

その他、柔軟性訓練(ストレッチ)、筋力強化訓練、エアロビック、アクア(プール内リハビリテーション)、腰部安定化運動、腰痛体操などの運動量が良いとされています。

こうした運動は、腰部の筋肉への直接的な効果の他に、運動により脳の血流が増え脳内の痛みを抑える物質が増える効果もあると考えられています。 当クリニックでは、アクアを除くこれらの運動のやり方を理学療法士が1人1人の患者さんに丁寧に指導させていただきます。

認知行動療法

次に、認知行動療法について説明させていただきます。
認知行動療法とは、人間のものの考え方や受け取り方の偏りを修正して問題解決の手助けをすることによって、気持ちを楽にしたり行動をコントロールしたりする治療法です。

具体的には、腰痛があっても痛みのことばかり考えない、楽しいことを考える、腰痛のせいで仕事を休むのではなく、腰痛があってもできる仕事を続けるなどです。

薬物療法

最後にお薬での治療について述べたいと思います。
ガイドラインでは、腰痛に対してある種の薬が有用であるとされています。
第一選択は非ステロイド性抗炎症剤やアセトアミノフェンなどの痛み止めです。

その他、慢性腰痛に対しては、ストレスを取り除くために抗うつ剤や抗不安薬、難治性の痛みに対するオピオイド、筋肉の緊張をとる筋弛緩薬が第二選択薬として推奨されています。

しかし、ガイドラインには薬だけに頼るのではなく運動療法やストレス解消を図るなど様々な治療を試みるべきであると述べられています。

腰痛をお持ちの患者様におかれましては、まず整形外科を受診して、レッドフラッグを伴う(重大な疾患を有する)腰痛でないかを鑑別してもらい、そうでなければ、運動療法、薬物療法で軽快を待つ、3か月以上続く慢性腰痛ならば、ストレスの解消など心理的要因を取り除くことを考えてみることが良いでしょう。
ストレスは慢性腰痛の原因の一つです。