【第3回】腰痛のイエローフラッグ

前回の本コラムで、危険な腰痛の兆候、
すなわち腰痛のレッドフラッグについて紹介させていただきました。

サッカーの試合で最も危険なファールに対してはレッドカード、
次に危険なファールに対してイエローカードが出されるように、
腰痛の場合も危険な疾患の存在を示唆するレッドフラッグの次に、
厄介な腰痛のイエローフラッグがあります。

今回の腰痛、肩こりコラムでは、
腰痛のイエローカード、ではなくイエローフラッグについてご紹介させていただきます。


前回のレッドフラッグの解説でも述べましたように、腰痛の85%は特に原因となる病気を特定できないけれども比較的予後は良好とされています。

このように、多くの腰痛は自然経過、または保存的治療を行っているうちに解消しますが、中には非常に長引く腰痛を経験される方がいらっしゃいます。

このような場合は、心理的要因が関与している場合があると考えられています。

こうした腰痛の発症に関わり、腰痛を慢性化させる「心理的・社会的」因子を腰痛のイエローフラッグと呼んでいます。

このイエローフラッグについて最も詳しく述べられているニュージーランドの腰痛診療ガイドラインには、多くの要因が挙げられていますが、以下はその中からの抜粋です。


・感情の問題
痛みへの恐怖心

・診断と治療の問題
恐怖心を抱かせるような診断名をつげられた

・腰痛に対する不適切な態度と信念
実際は重病ではないのに、そのように思い込んでいる、またはそのような病名を告げられた

・不適切な行動
長期の安静・治療を必要以上に続け、回復を遅らせている

・補償問題
職場復帰への意欲が乏しい

・家族の問題
配偶者やパートナーに対して心が通じていない

・仕事の問題
ストレスのある仕事、仕事に対する不満、人間関係がうまくいかない、仕事にやりがいが感じられない


その他、心因性の要因が数多く挙げられています。腰痛が長引いている方は、上記に挙げたイエローフラッグのいくつかの項目に思い当たるものはありませんか?

そのような腰痛には整形外科的治療もさることながら、イエローフラッグを取り除くことが最も大切です。

腰痛が長引いている方ほど「腰痛のことを心配し過ぎない」、「ストレスをためない」、「やりがいの持てる仕事を見つける」、「職場や家庭での人間関係を良好に保つ」などご自分で出来ることを一つ一つ解決していくことが、慢性腰痛や難治性腰痛の治療になるということをどうぞ心に止めておいてください。


腰痛のイエローカード、いやイエローフラッグは心の問題です